羞恥心は力なり

私のグルノーブルでの体験は、初日からショックな物でした。
私は武蔵野美術大学彫刻科と言う所をその時すでに卒業しておりましたが、ムサビの彫刻科はおとこ神輿なる彫刻科伝統のラディカルな物もあり、それはそれで有意義な時をすごしましたが、グルノーブルのラディカルさはそれぞれの学生の切実な思いから来る物でした。私はラディカルな行動が良い悪いなどの評論は避けます。がその様な物を見た時、自分にはたして同じような事が出来るか?と自問します。何故ならラディカルな行動は少なからず私に否が応でも衝撃を与えるからです。
私は初日の登校前、ジョンルックと昼食を取り一緒に彼の午後の授業の為、学校に行きました。学校は所謂、中世フランスの古い建物でしたが、そこの入り口を入るとアールデコとアールヌーボーが混在した感じの大きなエントランスホールが有りました。そのホールに5-6人の学生がそれぞれのグループでだべっていて日本の美大と特に違うと言う感じなのですが、そのホールの中央に全裸の女性が寝ているのです。そして、その女性は真っ赤な顔をしていたので、フランスでもこの様な行為は恥ずかしい物と言う事がわかりまた。青磁色のアールヌーボー柄の古いタイルの冷たさと、羞恥心で赤らんだ女性の裸体の強いコントラストが日本でもやもやしていた私のベールを一気に吹き払ってくれました。評論どうのと言う事ではありません。私の感じるに、彼女は単に自分自身にある問題を乗り越えろうとしただけだと思います。その彼女から発せられる決意のエネルギーのオーラが寝ているだけの静かな空間の中で自分の落ち着く場を探しておろおろとしていました。

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