ロマンティックな戸塚ヨットスクール

グルノーブルには3人の有名アーティストと地元のアーティストで教授を構成していました。この2つのグループには教え方で大きな差がり、地元アーティストの教授は教え方が丁寧で手取り足取りと言う感じで、3人の有名アーティストの方は、放任主義と言うか、教えると言う事は殆ど無く、遣りたい人は遣れば良い。と言う感じでした。学生の接し方も同じアーティストとして接している感じで、教授と学生という師従関係はまったく無く、どちらかと言うとライバル関係に近いものがありました。最近、良く日本で海外からアーティストを招待しての講演やワークショップなど催されていますが、講師1人プラス現地学生では、本場の醍醐味を感じる事は、難しい物があると思います。今まで私の見てきた経験では、良い教授、講師とは良い課題などを提供し、後はそれぞれの学生がその課題を利用して自分自身を乗り越え、その結果、自分自身の糧になる結果を出す。そういった環境を作り出せる人だと思います。例えばこういう事が有りました。ジョンルックがいきなり私のアトリエに来て面白い事遣っているので見にくれば?誘ってくれたので、彼のワークショップを見に展示室に行きました。グルノーブルボザールの展示室は、学校の入り口のアールヌーボーぽいエントランスホールにある全面ガラスのドアーを抜けると無機質な体育館の様な空間が有り。何処か中世フランスを浮遊している感のある私をいきなり現実に引き戻す空間でした。
私がその空間に入ると1台の三脚に乗ったビデオ機材の周りに彼の生徒達がたむろっていましたが、2人を除いて後の人達はビデオ機材の裏側に移動しました。その演者であろう2人は、もじもじ何か揉めている様な感じの演技をしていたのですが、後ろの生徒はクスクス笑っています。私には意味不明で、2-3組同じ様な感じの事を遣っていましたが4組目位だったと思いますが、1人がまじで相手を殴り激しい口論となりました。まじのケンカです。それまでの空気が一転してまずい雰囲気です。しかし、ビデオは容赦なく回っています。私は要約この課題が何であるか解りました。その後の演者も最初の頃の演者と違い本気で罵倒しあっています。この突然なぐった学生によりこのワークショップは、学生達は多くの物を得られたと想像します。又、私もこのワークショップの見学により多くの事を教えられました。“アートは教える事は出来ない。”と言う事です。
この気まずい雰囲気も授業が終わると、銭湯の湯あがりに冷たいコーヒー牛乳を1気に飲む様に、みんなで自動販売機のカフェの前でお互いの健闘を讃え一気にリラックスした雰囲気になりました。このワークショップ中、ジョンルックは?と言いますと周りの気まずい雰囲気とは別に一人ニヤニヤと目の前で行われている喧嘩を見ていました。多分、彼も生徒の成長をかみしめて喜んでいるのだと思います。まさか中世おフランスの建物の中で戸塚ヨットスクールが行われているとは思いもしましんでした。

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