ラファエロは嘘つかないあるよ。

先にも書きましたが、著名人の友人も又、著名人。と言う事がしばしあります。グルノーブルのボザールに飛び級で入学してきたヴィディアとDJの女王Miss KITTINことキャロリンは、幼友達であり親友でした。2人共、見かけは可愛く学内、学外でアイドル的存在となっていきました。また2人ともクラブでダンサーのアルバイトもしていまして、そういった面からもライバル関係でもありました。ヴィディアはアート関係で頭角し始め、又クラブ関係では、当時、ヨーロッパのレーブパーティーの代表格、スパイラルトライブの一員としても活動していました。ここで、話はちょっとずれますが、スパイラルトライブの事を話します。日本に入ってくる情報は、多分、日本の市場に合う様に選別されて来ているのでは無いか?それとイギリス、アメリカの英語圏の出来事が中心でフランス、ドイツ、イタリア、スペインなどの情報は、各国のステレオタイプのイメージの情報ばかり選別されて入っているし、又そういった感じの人に取材をさせている。と思われます。昔、アンアン、ノンノなどの雑誌で“今、パリジェンヌの間で人気アイテムは~”とか定番の言い回しがありましたが、あれ殆ど嘘。
そんなのを着ている人が居たとしてもごく少数。
又、欧米と言う一括りの言い方も実際にヨーロッパ在住経験のある人は知っていると思いますが、アメリカ、イギリスと所謂ヨーロッパ、フランス、ドイツ、イタリア、スペインでは全く違い、市民の感覚では殆ど敵対状態。
アジアで言うとアメリカ=中国、フランス=日本、と言った感覚です。
で、このスパイラルトライブ、当時、日本でもレーブパーティーが流行りましたが、ヨーロッパのクラブ好きの間では、神様状態だったのですが、日本では全く紹介されていなく、当時、日本でヨーロッパのアートを説明した時、そのアートの裏のバックグラウンドが分かって貰えず、困った記憶があります。
例えば、写真家のヴォルフガング・ティルマンス、彼はクラブ、レーブパーティーなどを題材にしてきましたが、その裏にはこのスパイラルトライブが確実に影響を与えていました。スパイラルトライブは決まったメンバーでは無く流動的で、バスを所有し活動をヨーロッパ中で展開していました。フランスでは空軍からミグ戦闘機を盗み出したりと、彼らの行動はヨーロッパ社会でアナーキーな物となっていました。
多分、当時、パリ在住の日本のジャーナリスト、評論家などは知らない世界の話だったと思います。
一方キャロリンは、ヴィディアのアート界での台等の中で、どうしても自分と比較して、口には出していませんが嫉妬心というのがあったと思います。その頃がらファインアートからは決別して、自分の行くべき道を必死に探していた彼女を見てきた私は、居たたまれない気持ちで彼女を見ていました。ある日彼女は、ボロボロのラジカセ2台を持ってきて“これどう?”と2台のラジカセの音量のつまみを交互に回転させ、ミックスを遊び感覚で始めました。それは簡単な子供の遊びの感覚でしたので、私が1台、彼女が1台。と遊びながらミックスをして、局を作って行た事があります。私は彼女に、“女性のDJって聞いた事ないから行けるんじゃない?“と助言をしていたのですが、ある日突然、スイス、ジュネーブのFM局でクラブミュージックだけを流す、当時流行っていた、”トゥルワ クラー”(3色)のDJを遣る事になったとの事。
ジュネーブの局ですが普通にグルノーブルでも聞けて、私も家では常にその局を聞いていました。スイス、アルプス地方ではメジャー局のDJ。
私はヴィディアの後ろで壊れそうになっていたキャロリンを見てきましたので、平静を装っていましたが、わが子の様に嬉しく思いました。
このキャロリンのバックグラウンドとして影響を与えていたのもスパイラルトライブでした。
今回、東日本大震災が日本列島を襲いました。皆さんもご存知だとおもいますが、マグマの流動と地殻の関係からすると、あの地震は不思議でも無く、驚きでも無く、当然の結果だったと言う事です。
商業的仕掛けでは無く、自然発生的に生まれるアートを含む文化の発生、成熟、衰退は地震の構造と良く似ていると思います。
例えば、前回、話したパリ発でブレイクしたタデウス ロッパクでの”June“、それに続く、パリ近代美術館での“L’Hiver de l’Amour”、これを東日本大震災とすると、社会の表面に出ない文化的ストリームに“スパイラルトライブの存在があり、マグマの流動と同じく社会と言う地殻に対してエネルギーを貯め、それを”パープルプローズ“と言う雑誌がともすると各方向に向かおうとするマグマの流動の力を社会の中で影響力を与える事が最も有効な地殻の1地点へ力を集中させ爆発へと導いたのだと思います。この展覧会を経験した私は、今後10年は確実に安定期に入り芸術面では、大きな動きは無いと核心しました。
で、実際その様になったようです。
ブレイクする時は、地震とマグマの関係と同じ様に、社会の表皮では見えづらい社会の地下で大きな流動があり、その社会表皮へのストレスを貯め、ある時、爆発する。と言う訳で著名人の友人も又著名人という現象が起こる訳だと思います。
エルサレム旧市街に行った事のある人は解ると思うのですが、約1Km四方の小さな町で、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教が生まれた訳です。
殆ど、村の言い争いの感覚た!と私は感じました。と同時にこういった多様の哲学が生まれたバックグラウンドでは、とてつもない大きなマグマ溜りが出来て社会の表皮に対して大噴火を起こしたのだろうな~?と。
エルサレム特有の黒い奥行きの無い、殆ど壁の様に縦に走る雲。
ラファエロのキリストの絵、空は本当にエルサレムその物で、又あの絵に描写されている事は殆ど何も意味する事は無く、白雉な人々への説明に終わり、しかし、そのどろどろした気持ちにさせる絵画は正に当時の社会の表に出ない恐怖のマグマのエネルギー溜り、そのものだと感じました。

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