エンジェルの犯罪

グルノーブルの教授には、ジョンルークと共にもう一人の変革組アーティストとしてアンジュ レッチアが居ました。
アンジュ レッチアと聞いて解らない人も多いと思いますが、日本では西武美術館で嘗て展覧会を遣っていまして。車を向かい合わせて展示するだけ、とか、ドクメンタでは、ベンツ1台をピカピカに磨かれた展示台の上に車を展示しているだけの作品を出品、この作品は展示台にベンツが写りこみ展示されているベンツと対になっていました。又、変わった作品では、フランスの長閑な農園風景の中、空軍のヘリコプター1個編隊を1列に地上20M位で空中に停止。印象絵の様な風景に幾何学的な1列で空中に停止している軍のヘリコプター。
こんな感じで繊細さと大胆な感じが同居している様な作品を作っています。現在は、映画を製作している様です。
何故、突然彼の事を話すかと言いますと、彼のアーティストとしてのデビューの遣り方が、“こういうのも有りなんだ~”と感嘆したからです。
以前、話しましたが、アーティストとしてデビューするには、ちょっと荒行事を行う事もしばしば有ります。
日本には、~賞とかのコンクールなども有り、その様な機会を利用する事も可能だと思いますが、フランスの場合、そういった物は殆ど無いと思います。
このデビューの機会となる荒行事、実はここが結構どのアーティストも特徴的で面白いのです。
アンジュはコルシカ島出身です。アンジュはAngel、エンジェルと書くのですが、これ自分で勝手につけた、所謂ペンネーム。本当の名前は忘れましたが、ドミンゴとかそんな感じのちょ~かっこ悪いイタリアっぽい名前だった記憶があります。
フランスにおいてコルシカのボザールからパリのアート界にデビューする事は普通では、かなり難しいと思います。そこで彼はどの様な作戦を取ったかと言うと自分の作品と自分自身の写った写真をNew York Timesなどの海外大手新聞に貼り付けそれをコピーしてファイルにしてパリの画廊などに見せたそうです。
普通、日本だとこれ詐欺ですよね?
しかし、これを作品資料と言わず、作品と言ったらどうなります?
私はこの話を聞いただけで実際見ていないのですが、全く文章などは変更せず、写真の部分に自分の作品を貼りコピー。
文章はそのままですので、良くみるとすぐばれる。
もし、そういった物だとするとアート作品になります。
一般に持たれている新聞と言う既成概念を問う。。とか。
ギャラリストはその仕掛けに気がつく人、気がつかない人などさまざまだったと思いますが、このトリックとも言える方法でデビューしました。
後日、多くの人がこのトリックを解ったわけですが、コルシカ=イタリアというイメージでこういった事もコルシカの文化として包容されて行ったようです。
その彼は現在、パリ近代美術館も入るパレ・ド・トウキョウ内にある、ボザールを卒業した人などが行く学校のデレクターを遣っています。
デビューの為、殆ど犯罪のテクニックを考えるアンジュを、この様なパリを代表する学校の校長に抜擢するとは、やはりフランスと言う国はおフランスと言う称号を伊達に貰っていない国だと思います。

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